植樹とは新たに木の苗を植えることです。今、国内外で多くの企業や団体が植樹活動に取り組んでいます。一体なぜ、植樹が必要なのでしょうか。今回は植樹活動の必要性や企業における植樹の取り組み事例を紹介します。
世界では地球温暖化による森林火災や、違法伐採などによって森林が減少しています。環境省のデータによると、2000年から2010年までの10年間で、年間平均520万ヘクタールもの森林が減少しています。
一方、日本では安い輸入木材の利用率が増え、国産木材の出荷が減り、木が伐られなくなったことで、荒廃した森林が増えています。また、過疎化が進み、林業の働き手も減ってしまったため、森林の手入れが行き届いていない場所が増えているのです。
森林は地球環境に必要不可欠なもの。多くの生物の住みかであり、資源を供給してくれる役割もあります。また二酸化炭素を吸収し、地球温暖化を抑えてくれる働きに加え、土砂崩れなど自然災害の被害を和らげてくれる効果もあります。
人と生態系の暮らしを守るためにも、森林破壊を防ぐ取り組みが必要であり、森林環境を持続可能なものにしていくことが重要です。
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SDGs15「陸の豊かさを守ろう」の中には、「森林減少を阻止し、劣化した森林を回復し、
世界全体で新規植林及び再植林を大幅に増加させる」といった項目があります。
まさに、植樹活動こそが、森林減少を阻止し、劣化した森林を回復させる「森林再生」への第一歩といえるのではないでしょうか。
日本の企業においても、植樹活動(植林活動)の取り組みが行われています。ここではその取り組み事例の一部を紹介します。
関東地方でスーパーマーケットチェーンを展開する企業「マルエツ」では、埼玉県日高市横手の「マルエツの森」で植樹活動と下草刈りを実施しています。
2010年より、埼玉県の森林・保全事業の「武蔵野森再生事業」に参加をし、「マルエツの森」に山桜やかえでなどを植樹しました。その後は毎年従業員ボランティアによる下草刈りを行うなど、保全活動に取り組んでいます。
地域の環境を守りながら、温室効果ガスの削減に向けて、今後も活動を継続していく方針です。
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同じくスーパーマーケットチェーンを展開する企業「カスミ」では、茨城県笠間市の吾国愛宕県立自然公園内に「カスミ共感創造の森」として約4ヘクタールの森林再生事業に取り組んでいます。
2011年に、第一回目の植樹活動を行い、無花粉スギやヒノキ、ヤマブキなど全体で約2,000本の苗木を植樹しました。その後も毎年5月に植樹祭が開催され、お客様や従業員ボランティアが集い、植樹活動に取り組んでいます。(※2020年は中止となりました。)
また、木を植えるだけでなく、草刈りや間引きなど森の手入れを継続し、ふるさとの自然を次世代へつないでいくことを目的としています。
私たちは自然の恵みに支えられて生きています。豊かな森林を作り、守ることは、私たちの暮らしや生態系の命を守ることにもつながっています。
植樹活動は、林業に携わる人でなくとも、森林と人とのつながりを実感できる良いチャンスです。ボランティアを募っている企業や団体も多いので、ぜひこの機会にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
https://www.env.go.jp/nature/shinrin/index_1_2.html#:~:text=%E4%B8%96%E7%95%8C%E3%81%AE%E6%A3%AE%E6%9E%97%E9%9D%A2%E7%A9%8D%E3%81%AF,2010%E5%B9%B4%E3%81%BE%E3%81%A7%E3%81%AE%E5%B9%B3%E5%9D%87%EF%BC%89%E3%80%82
https://www.maruetsu.co.jp/corporate/pdf/2021_kaishaannai.pdf
https://www.kasumi.co.jp/kankyo/about.html